学問の自由とは何か
隠岐 さや香

竣工当時(1925年)の東京帝大大講堂(ウィキメディアより)
学問の起源は紀元前6世紀頃の古代ギリシャに遡ると言われます。しかしその自由が権利として確立され広く一般に認められるようになったのは、さほど昔のことではありません。それどころか20世紀、いや21世紀の今日においてもそれは侵害の危機にさらされています。そもそも「学問の自由」とは何なのでしょうか。それはなぜ、ひとり研究者だけでなく、社会全体にとって重要なのでしょうか。科学史家の隠岐さや香先生にお聞きしました。(全4回)
この連載はアジェンダ「近代化とはなんだったのか」と紐付けられています。
この連載の記事
1. 聖書という真理
――ご著書『文系と理系はなぜ分かれたのか』によるとヨーロッパで大学が定着したのは12世紀頃とのことですが、そもそも大学はどういう経緯でできたんですか。
2. 神からの自立
――18世紀は「啓蒙の世紀」と呼ばれますが、その元となった啓蒙思想はざっくり言うとどういう考え方なんですか。
3. 近代国家の形成と学問
――次に日本の状況についてお聞きしていきたいのですが、西洋の学問が日本に入ってくるのはやはり明治以降ということになりますか。
4. 学問の自由がなくなる時
――日本学術会議の任命拒否事件が起きたのが2020年、そして去年(2025年)の10月には学術会議を法人化する法案が国会で成立しました。これらの出来事は学問の自由(制度の自由)への明白な侵害と捉えることができますが、学術会議というのはそもそもどのような機関なんですか。