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 参院選の投票日まであと1週間になりました。物価高への対策が最大の争点とされていますが、排外主義的な勢力が勢いを得ているとの報道もあり、どのような結果になるのか予断を許しません。コメの値段も大事は大事ですが、差別が助長されるような世の中にならないか懸念しています。

 もうひとつ気になるのが投票率です。総務省の調べでは前回の参院選(2022年)の投票率は52.05%、つまり有権者の約半数は投票していないことになります。若者を中心とした政治への無関心は昔から言われていることですが、参院選の投票率が安定して(?)60%を下回るようになるのは平成になってからで、1980年(昭和55年)には74.54%を記録しています。

 選挙に行かない理由でよく耳にするのが、自分が投票したところで結果はどうせ変わらないという考えです。そういう人がみんな投票すれば間違いなく変わるのですが、それぞれの目に見えているのは自分の一票だけなので、そう考えてしまうのでしょう。ネットによってリアルな人間関係が希薄となった現代では、「その一票が社会を変える」といった言葉に、あるいは社会というもの自体に現実味が感じられなくなっているのかもしれません。

 じゃあどう考えればいいのかというのはずっとわからなかったのですが、先日見かけたある動画でそのヒントを見つけました。それはイスラエルへの抗議デモの参加者が紹介した次の言葉です。

 あなたの行動がほとんど無意味であったとしても、それでもあなたはしなくてはならない。それは世界を変えるためではなく、世界によって自分が変えられないようにするためである 

 後で調べたところガンジーの言葉でしたが、これは私を含め、世界や社会への無力感に襲われている多くの人にとって、大きな道標になるように思います。

 ガンジーが経験したであろう苦難を思えば、投票に行くのは比べようもないほど容易な行動です。もしもそれすらしないのであれば、それは私たちが世界(=現状)に完全に飲み込まれ、自分を見失っているということでしょう。投票率の低さが物語っているのは、政治や社会ではなく自分自身への諦めなのではないでしょうか。

 投票総数から見れば、私の一票には何百万・何千万分の一の価値しかありません。何の意味があるんだと思いたくもなります。しかし逆に私の視点から見れば、この一票こそが選挙における自分のすべてであり、それを放棄することは自分自身の存在を自ら否定することに他ならないでしょう。来週の日曜日、世界のためではなく「自分のため」に、すべての有権者が投票に行くことを願っています。

2025.07.13

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