コミュニティに属するのは、「保険をかける」ということ
2023.03.02
タンザニアの人びとの生き方は、「未来は予測できない」ということを前提にしています。何が起きるかわからないからこそ、何が起きてもなんとかなるように、いろいろな人とつながっておく。目の前に困っている者がいれば――その原因にかかわらず――ムリのない範囲で助け、貸しをつくっておく。そうすることで他の人も「あいつはいいやつだ」と言ってフォロワーになってくれるかもしれない。そこには国家も保険会社もありませんが、ある種のセーフティネットがたしかに機能しているのです。
文化人類学、地域研究(アフリカ)
小川さやか