人間とは何か。この巨大でどこから手をつければいいのかすらわからない問いに対し、ヒュームはひとこと「知覚の束」と答えます。暑い、もうこんな時間だ、雷が鳴った、いい匂い……。つぎつぎに現れては消えていく知覚、それこそが人間であり、私であると。経験論の極北といえるヒュームの哲学と人生を、ふんわりとひも解きます。
思考する一節
そこで、私はつぎのように確信してもよかろうと思う。すなわち、人間とは、思いもつかぬ速さでつぎつぎと継起し、たえず変化し、動き続けるさまざまな知覚の束あるいは集合にほかならぬ、ということである。(『人性論』)
